2012/09/23
2013年の秋分の日は9月23日
2012年の秋分の日は9月22日、2013年の秋分の日は9月23日だ。なぜか?
科学雑誌Newtonより引用
2012年9月22日は「秋分の日」だ。だが,今年の秋分の日は少し特別な日であることをご存知だろうか。これまで長らくの間,秋分の日は9月23日だった。しかし今年はなんと,1896年以来116年ぶりに,9月22日が秋分の日となるのである(9月23日でなくなるのは,1979年9月24日以来33年ぶり)。
■自転周期と公転周期の微妙な“ずれ”
そもそも「秋分の日」とはどのような日なのだろうか。
国民の祝日に関する法律によれば,秋分の日とは太陽が「秋分点」を通過する日のことと定められている。秋分点とは,黄道を動いていく太陽が地球の赤道の真上,つまり天の赤道を横切る瞬間の位置のことだ(イラスト参照)。国立天文台は,地球の自転の遅れなども考慮しつつ,この秋分点を通過する時刻を計算し,決定している。
さて,それではどうして秋分の日の日付がかわってしまうのだろうか。それは,太陽のまわりを地球が一周する周期(公転周期)が,地球の自転周期(1日)の整数倍になっていないためである。地球が太陽の周りをまわり,元の位置に戻ってくるためには約365.2422日(約365日5時間49分)かかる。これは,太陽が秋分点を通過する時刻が,毎年約5時間49分ずつ遅れていくと言い換えることができる。ただし,公転周期は月や惑星などの影響によって変わるため,前年の秋分点の通過日時に単純に5時間49分を足した値と,実際の秋分点の通過日時は若干食い違うこともある。
■秋分の日をずらす犯人は「うるう年」
国立天文台が毎年発表している「暦要項」によれば,2006年の秋分点通過日時は9月23日13時3分で,2007年のそれは9月23日18時51分だった。確かに約5時間49分のずれだ。このままずれていけば,2008年の秋分点の通過時刻は9月24日に突入してしまう。
しかし2008年は「うるう年」であるため,丸一日巻き戻される。その結果,2008年の秋分点の通過日は9月24日ではなく,9月23日の0時45分となったのだ。このように,これまでは通常,4年間でたまった約1日のずれが,うるう年により解消されてきたのである。
それでは2012年はどうなるのだろうか。2010年の秋分点通過日時は9月23日12時9分,2011年のそれは9月23日18時5分だった。この18時5分に5時間49分を足すと,9月23日23時54分となる。9月24日にずれこまないのだ。しかし,2012年はうるう年である。その結果,2012年の秋分点の通過日は9月23日ではなく,9月22日となるのだ(実際の秋分点通過日時は9月22日23時49分と予想されている)。
国立天文台によれば,今世紀中は今後,秋分の日が9月22日になる年も多くなるという。秋分の日は空を見上げて,地球の運行に思いを馳せてみてはいかがだろうか。
コメント